文化祭

学校行事ってのは、どれも面倒だ。
いっそさぼってしまえば楽なんだけど、揉め事を起こさない事が条件だし、何より店があるから仮病を使うわけにもいかないし。

溜め息をつきながら、ごてごてと飾られた校門をくぐる。
……なんか 趣味悪い……

廊下でパタパタ走り回る大崎を見つける。
なんだかとても楽しそうだ。って言うか、実際楽しみにしてたな あいつ。
勉強して、店にも出て、文化祭の準備もして……
なんで いつもあんなに元気なんだ?
やたら細くて 軽いのに……
以前 抱き留めた時の感触を思い出す。
今だに覚えてる俺って………どうよ。

「あ。佐伯くん おはよ」

「あぁ。おはよう」

「絶対コーヒー飲みに来てね!」

「あー 覚えてたらな」

「……そんなにすぐに忘れちゃうようじゃ もうダメだね! いたっ!」

頭を振りながら憎まれ口を言う 大崎の頭をチョップ。

「お前 午前中ずっとだっけ?」

「そうだよ?忘れないでね?……っと! じゃあ行くね!」

教室から女子が出て来て、大崎は慌てて離れる。

あの顔……面白い。
別に、そんなに慌てなくていいんだけどな。
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