文化祭

 「多数決の結果、今年の文化祭は喫茶店に決定しました。二週間後の 文化祭目指して頑張りましょう」

ロングHRの終わりに、委員長がそう締めくくった。
早速、文化祭までの予定表が配られる。
その紙には、曜日ごとの出席メンバーと役割が細かく書かれていた。
HRの間に、アンケートと集計とプリント作成をすませちゃうなんて、仕事が早いしクラスのみんなも纏まりあるよね?

うちのクラスは運動系のクラブに入ってる人が多いのか、かなりの人数で準備するみたい。
そのおかげか、予備校やバイトといった個人的な用がある曜日は、きちんとメンバーから外されている。

「なんや〜。天音とは、月曜と土曜しか 顔合わさんのやな〜」

はるひちゃんが、予定表を片手に空いていた私の前の席に座った。
はるひちゃんは火曜と木曜、私は水曜と金曜がバイトだから、一緒に作業出来るのは二日しかない。

「だね。残念だよね?」

「ほんまやわ。そのかわり一緒に作業しよな?」

「もちろん!楽しみにしてる」

「そやけど、こんなに人数おったらあっという間に終わりそうやけどな」

「ホントだよね?喫茶店って飾り付けとか少なそうだもんね」

「やろ?」

二人で予定表を覗き込みながら話す。
みんなが週の半分くらい出席するなか、佐伯くんはといえば……
火曜日だけ。つまり週一しかメンバーに入っていなかった。
強制参加じゃないからなんだけど、さすが抜目ない。
お店があるから出られないんだろうけど、少しの時間でいいからもっと参加したらいいのに。
みんなで何かするのって 楽しいんだけどな。
そう思ったから、一緒に帰った日に聞いてみた。

「楽しくない。でも文化祭の日は、珊瑚礁にお客が流れてくるんだ。だから まぁよしとする」

前言撤回。抜目ないんじゃなくて、ちゃっかりしてる。
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