珊瑚礁の裏側

the Land of Covenant
珊瑚礁での裏側。

「ただいま〜〜〜。」

店の裏から入ると コーヒーのいい香りがしている。

なんでこんな時間から?まだ 開店前なのに……。

疑問に思いながら 店に入ると……。

大崎とじいちゃんが向かい合わせに座って 楽しそうにコーヒーを飲んでいた。

「おや? 瑛。 おかえり。」
「おかえりなさ〜い!」

なんで俺より先にいるんだ!
って言うより なんで2人でお茶してるんだ!

「マスターがお誘いしてくれたの!」
「新しい豆が届いたんでね。まずは天音さんに飲んでもらいたかったんだよ。」
「ケーキも作ってくれたんだよ〜! ほんと 美味しいの!」
「天音さんが この豆には フルーツタルトが1番って言ってたからね。」
「やっぱり合いますよね?」
「天音さんは、やっぱりいい目をしてるね。これからも、いろいろ聞かせてくださいね?」
「もちろん!私でよければ、喜んで。」

いつの間にか、俺をそっちのけな2人は顔を見合わせ 微笑みあっている。

なんなんだ。
この バカップルみたいな会話と態度は。

たしかに じいちゃんは大崎がお気に入りだ。前に聞いてみたら ……。

「天音さんは 明るくて可愛いし なによりコーヒーが好きなところがいいじゃないか。」

って言ってた。
……が。なんでいつの間にこんなに仲がよくなってるんだ!

「え? 夜とか バイトない日とか よく電話で話してるよ?」

思いもよらない答えが帰って来た。
じいちゃん いつの間に!!
つーか 俺でさえ 電話した事ないのに!
番号さえ 最近知ったばっかなのに!!

「マスターって ほんとに素敵だよね? あこがれちゃうよ。」

学校やクラスのヤツなんかじゃなく こんな身近にいたなんて……

……俺 勝てるのか??
……勝てねーだろ……。

佐伯 瑛 16歳。
衝撃的事実を知った ある日の出来事。

end.

祖父と彼女の日常。
強力な伏兵……それはマスター。
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