君の色

7月の日差しが海面に反射している。

(キラキラして綺麗だなぁ)

やっぱり ここに来てよかった。毎日 そんな事を考えながら、海岸線を歩く。

(今日も いい日になりそう)

足取りも軽く 校門をくぐる。
ちょっと前まで みんな参考書片手に歩いてたのに、今は目の前に迫った夏休みに浮かれている。

「おはようございます!!」
「あ!氷上くん。おはようございます。」
「あぁ 大崎くん。おはようございます。君は早いんだね。」
「そうでもないよ?それより 毎朝ご苦労様です。」

彼は 氷上 格くん。
千代美ちゃんと、同じ生徒会に入っている同級生。
期末テストの、結果を見に行って知り合った。

初めて話かけられた時は、びっくりしたよ。
だって、次は負けないとか言うんだもの。
少し話してみると、いい人ってわかったけど。

今朝、校門に居たのは生徒会の『あいさつ運動』なんだって。
あいさつなんて、普通はすると思うけど……。
朝から、元気のいい声が聞こえて来るのは気持ちがいいと思う。

教室に入ると、佐伯くんの周りは女の子で溢れかえっていた。

――触らぬ神に祟りなし――

とりあえず、誰かの席に避難しようと辺りを見渡した。
ちょうど、いいタイミングで、はるひちゃんが登校してきて胸をなで下ろす。

「おはよー 天音! 挙動不審やけど、どうしたん?」
「おはよう、はるひちゃん。自分の席に行けないからどうしょうかなって思って。」
「あ〜 プリンス佐伯な。」

とりあえず、女の子が居なくなるまで避難した。

朝から凄いなぁ……。
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