天使の梯子

梅雨時の昼休みは 教室にいる人がいつもより多い。
私達いつものメンバーも、隅っこに机を並べて陣取っている。

「クラッカー鳴らしたかったな」

ボソリと呟く私に 今日の主人公である千代美ちゃんが答える。

「大崎さん。そんな事したら 迷惑になるじゃないですか」
「そうなんだけど……。」
「やっぱり 気分の問題よね?盛り上がるじゃない?」

うふふと相変わらず 魅力的に笑う密ちゃんが続ける。

「いいんです。みなさんがこうしてくれるだけで嬉しいんですから。」

ちょっと頬を赤くした千代美ちゃんは とても可愛い。

「アタシさ。さっきから気になってるんだけど。」
「どしたん? 竜姉」
「いや。なんでコイツらまでいるんだい?」

コイツらと指差された人物達は 、佐伯くん 志波くん ハリー クリスくん。

「なんでって……、オマエらだけで食えるのか? それだけの飯」
「よーいうわ。購買でろくなパン買えへんだんやろ。」
「ちっ ちげーよ! 天音がよかったら来いって言うから!」

そうだよな?とハリーが同意を求める。

「大勢の方が楽しいと思ったんだけど……。ダメだった?」

竜子さんはクスリと笑って 手をひらひらと振る。

「いや? 針谷の言うとおり、これだけの量をアタシ達だけじゃ食べきれないしね。いいんじゃないかい?」

そうなんだよね……。
私と密ちゃん はるひちゃん 竜子さんが持ち寄った物が 繋げた机にいっぱいに広がっている。
はるひちゃんのせいか お菓子の方が多いんだけど。

「藤堂。オレ様はハリーだ!」
「あぁ そうかい。」
「針谷 お前の前にあるケーキ取ってくれ。」
「針谷クン ボクも欲しいなぁ。」
「オマエらまで……、オレ様はハリーだ!」

ずっと思ってたけど ちゃんとハリーって呼ぶの私とはるひちゃんだけなんだよね……。
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