ギターの音色

放課後図書室で本を読んでいると、はるひちゃんが探しに来た。


「なんや 天音。こんなとこにおったん?探したわ。」
「はるひちゃん。どうかしたの?」
「鞄がまだあったで、一緒に帰ろうかな〜って。」
「探してくれてたの? ありがと。一緒に帰ろ?」

読んでいた本を元に戻し 図書室を出た。

「どっか寄ってかへん?」
「うん いいよ? 何処にする?」
「実はな 駅前の喫茶店に限定パフェ出たん! 行かへん?」
「ふふっ 最初からそれが目的だったり?」
「さすが天音!当たり〜!」

本当に情報が早いなぁ〜。どこで 手に入れるんだろ?
階段まで来たところで 何処からかギターの音色が聞こえて来た。

わぁ……素敵な音色……
凄く優しくて 包み込むような……
それに 凄く上手。

思わず立ち止まった私に、はるひちゃんが声をかける。

「天音 どうしたん?」
「ん? ギター。誰だろ……」
「あぁ ハリーやな。」

ハリー?外人?と不思議がる私を、こっちこっちと手招きする。
着いた場所は 音楽室。
そっと中を覗いてみると 男の子が気持ち良さそうにギターを弾いていた。

邪魔しちゃ悪いよね?って思ったから覗いてたのに、はるひちゃんはいきなり扉を開けた。

「相変わらず上手いなぁ!」
「うぃっ!?」
「なんや?そのリアクション」
「うるせー いきなりでビビっただけだ!」
「あははは これくらいでビビらんといて〜〜」

はるひちゃんはケラケラと笑っている。
ちょっと言い過ぎだよ、と私は割って入った。
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