男の子は力持ち

まいったなぁ………。これ 一人で片付けるの??

体育が終わって ハードルの片付け。
もう一人の当番は 足をくじいて保健室へ。

まぁ 仕方ない。やるか!

腕まくりをしてハードルを取ろうと屈み込むと、横から手が伸びた。

誰だろ? この人……

そう考えてたら 大量のハードルを抱えて 歩きだした。

「ちょ……っと 待って!」
「あ?」
「私が当番なの。だから……」
「……一人より、二人の方が早い。」

スタスタ歩きだす。
置いて行かれないよう私も ハードルを抱えて走り出した。

「危ないから走るな。」
「あ!うん。ありがとう、えっと……。」
「??」
「あなたの名前は?私 B組の大崎 天音!」
「……A組 志波 勝己。」
「よろしくね 志波くん!それと ありがとう。ほんとは量が多くて困ってたの。」

ぺろっと舌を出すと 目が柔らかくなった。

「志波くんって すごい力持ちなんだね〜。」
「そうか? 男なんだからこんなもんだろ。」

いえいえ。普通の男の子ならそんなに持てませんから。

一人だったら 何回行ったり来たりしなきゃいけなかったんだろう。
あっという間に片付いた。

「ほんとにどうもありがとう。おかげで助かりました!」

ぺこりとお辞儀をする。
志波くんは 私の頭をポンと叩いた。

「また 困ったら呼べ。」

そう優しい目で笑うと校舎に戻って行った。
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