初めての休日

最近 佐伯くんの事ばかり考えてる。
学校での彼に驚きっぱなしだったけど、昨日の帰りに少しだけ理由がわかった。
お店を続けるために 学校ではああなんだ……。

やっぱり私が会ってるのが、本当の佐伯くんなのかな?

でも お店って……、なんて 名前だっけ?
迷子になった焦りと彼の態度に、すっかり忘れちゃったけど……。

―――まぁ、いいか。

たぶん行かない方がいいだろうし。

「天音ちゃん! 暇だったらお買い物に付き合ってくれない? 」

美奈ちゃんが、ひょっこり顔をだした。

「もちろん!私もお洋服とか欲しかったし。」

たぶん 私が元気なかったから 美奈ちゃん気を使ってくれてるんだ……。

ダメだよね 心配かけちゃ!

それに佐伯くんの事は、今考えても仕方ない。
いつか わかる時が来るかもしれないし。
まずは もっと仲良くならないとね!
そう結論を出して 外に出た。

「美奈ちゃん! オススメのお店ってある?」
「あるある!この間天音ちゃんに似合うの見つけたんだよ?」

そう言われて連れて行かれたのは、公園通りにあるブティック。

「珪くんと来た時に 天音ちゃんに似合うのチェックしてたんだよ〜。」

なんて嬉しそうに 次々服を手渡してくる。
……2人で来たのなら、美奈ちゃんの服を選ぶんじゃ?
という疑問が浮かんだけど 黙ってるほうがいいかも……。
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