アイドルみたい?
―――席替えをした。
俺は入学式に座ったままの席。窓側の1番後ろ。隣は……大崎だった。
「……よろしくね?……」
少し戸惑った様子だったけど、笑って挨拶をしてきた。
「こちらこそ よろしく。大崎さん?」
表の顔、すなわち僕の顔で挨拶。
こいつには どう写ってるんだろう……。
さっきの顔からすると、二重人格が打倒か。
授業中には、熱心にノートをとる姿が目に入る。
綺麗な字で解りやすく纏めてあって……。
姿勢良く先生の話しを聞く姿に、好感がもてた。
休み時間に友達と話してる姿を 、何気なく見ていた。
もう内部組と打ち解けてる。
くるくる表情を変え、笑ってるのを見ると なんとなく納得した。
―――あれは惹かれるな……
クラスの男どもが 次々話し掛けてる。
どう 対応するんだろうか……。なんとなく自分を重ねて 大崎を見ていた。
それは……、 みごとに女友達に接する態度と同じだった。あいつには 男も女も関係ないのか。って言うより自然体。
……俺とは違うんだな……
その時、ふと気がついた。
俺には、あんな態度とか表情しないだろ。