再会

せっかく朝から気分よかったのに……。
私はため息をつきながら、体育館に向かった。

式の後 教室に入る。
クラス分けの名前が張り出されてたけど、見たって分からないから 自分の名前だけ確認してあった。
私は B組。早く友達が出来たらいいな。

どこに座ったらいいんだろう……。
空いてる席ならどこでもいいのかな?

教室の入り口で立ち尽くし悩んでたいると、可愛い女の子がニッコリ笑って私に手招きをした。

「ここ、空いとるでよかったら座り? あたし、西本 はるひ。」

「ありがとう。大崎 天音です。西本さん よろしくね?」

「可愛い名前やなぁ! 天音は外部組やんなぁ?」

「うん。最近越して来たばかりなの。」

「ほんま? ならあたしがいろいろ案内したるわ〜 それから、『はるひ』でエエで!」

そんな話しをしてたら、後ろの方で黄色い声がした。
振り返ると、女の子達が誰かを取り囲んでいる。

―――誰だろう?

「あ〜 あれな。プリンスやで?」

プリンス??って、あれだよね 王子様の事だよね?

きっと 頭の上に クエスチョンマークが出てたんだろう。
はるひちゃんが 詳しく教えてくれた。
中学の時から人気のある人で、眉目秀麗 頭脳明晰 スポーツ万能 誰にでも優しい 学園のアイドルみたいな人なんだって。
そんなすごい人がいるんだなぁ〜なんて見ていると、女の子の隙間から見えたのは……。

朝会った 佐伯くんだった。

誰にでも優しい??あの人が??
でも 確かに爽やかな笑顔で女の子達と話している。
びっくりしてたら一瞬目があった気がした。

気のせいだろうけど……。

すぐ先生が来て前を向いたけれど、さっきの佐伯くん まるで別人みたい……、って言うか別人だった。

担任は 『若王子 貴文』先生。
女の子達が 『彼女はいるのか』とか 『好きなタイプは?』とか聞いている。
私は 優しそうな先生でよかったな…なんて思った。
その後 自己紹介。
ちょっと緊張したけれどね。
帰る時には、玄関で佐伯くんが女の子達に囲まれているのを見かけた。

さっき見た爽やかスマイル。
やっぱり別人みたい。

私 そんなに嫌われたのかなぁ……。
そんな事を思いながら 通りすぎた。
家に帰るとおじさんが、カメラを持って待っていた。

……そういえば そんな事言ってたよね。

いっぱい写真を撮られて入学式よりも疲れたけど、パパやママにも送ってくれるんだって!
2人とも 喜んでくれるといいな。
それに明日からの高校生活、楽しい事がたくさんあるといいな……。

天音Side continue..
prev 2/4 next

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -