君の色 瑛Side

しばらく 並んで歩く。
夜は 海風で空気が冷えて気持ちいい。月明かりも綺麗だし。胸やけも、動いたおかげか少し楽になった。

( 思わぬやつからも 誕生日を祝ってもらったし )

ふと気になって聞いてみる。

「……お前さ 夏休みって予定ある?」
「ん〜? ないよ? 行きたいとこはあるけど。」
「どこ?」
「花火大会とか海とか行きたいなぁ。」

この間 本で読んだら、特集やってたんだよね〜 と俺を気にするわけでもなく話している。

「花火大会の日 開けとけ。今日のお礼 付き合ってやる。」

そんなつもりで聞いたわけじゃないけど、こいつとなら行ってもいいかな?
それだけだったのに……

満開の笑顔で俺の両手を握りしめるとブンブンと振る。

「ありがと〜! 今年は諦めてたから すごく嬉しい!よろしくね?」

本当に 心から嬉しそうに。
そんなに喜ばれるとは、思ってなかった。
こいつなら 「そんなつもりで渡したんじゃない」くらい言うかと思ってたのに……。
正直 予想外の反応に焦る。

デート特集ってあったから 女の子誘うわけにもいかないし、まして一人で行くとこじゃないでしょ?と興奮気味に話している。

別に女同士で行ってもいいんじゃないか?とか思ったが、大崎は真剣に話しているので黙って聞いている。

(誰か男を誘うとか 頭にないんだな……)

学校の数人の顔が頭に浮かぶ。

(らしいと言えば らしいんだが)

思わず笑うと 不思議そうに俺を見た。

「 他には何が書いてあったんだ?」
「あとはね。遊園地!ナイトパレードだって!」

ここはいろいろとあるんだねぇと話している。
今まで見た事ない大崎な感じがして いろいろ聞いてみて得したかな?と感じた。
prev 12/13 next

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -