君の色

着替えを済ませた佐伯くんも店に戻ってくる。

「じいちゃんは?」
「今 帰ったよ。」
「そっか。 今日は悪かったな。」
「そんな事はいいんだけど……。そうだ! これ!」

すっかり忘れてた私は 慌てて鞄の中から取り出した。

「改めまして。お誕生日おめでとう! はい どうぞ。」

目を丸くした佐伯くんが受け取る。

「プレゼント? 用意してくれてたのか……。」
「うん。学校だと気になるかと思って。凄い数だったから、持って行かなくて正解だったね?」
「……開けていい? 」
「 うん。どうぞ? あ! 佐伯くんっぽいなって選んじゃったけど、気に入らなかったら ごめんね〜?」

妙に神妙な顔をして、丁寧に包装を解いている。

「写真立て?貝細工の?」
「うん。最初に見た時もぽいなぁって思ったんだけどね。」
「……いいな。これ 。」
「そう?よかった!気に入ってもらえて。」
「……やっぱ お前……」
「 なに? 」
「……いや。なんでもない。」
「そう? あ! 写真は好きなの飾ってね?じゃあ 私 帰るね!」

今日はゆっくり休んでね〜と店を出ようとしたら、またチョップされた。

「いたっ! もう! なんでチョップなの!」
「ウルサイ。送る。」
「いいよ。早く休んでよ。」
「さっきも言っただろ。動かないと消費しない。ほら 行くぞ!」

そう言って 先を歩く。

「……お前さ。夏休みって予定ある?」
「ん〜? ないよ? 行きたいとこはあるけど。」
「どこ? 」
「花火大会とか 海とか行きたいなぁ。」
「じゃあ 花火大会。」
「は? 」
「花火大会の日 開けとけ。今日のお礼。付き合ってやる。」

本当はものすごく行きたかったんだよね!
私は 佐伯くんの両手を握りしめ、ブンブンと振った。

「ありがと〜〜! 今年は諦めてたから すごく嬉しい!よろしくね?」
「……あぁ。」

本当 佐伯くんもいい人だよ!
最初は 感じ悪いなんて思ってたけど。

明日からの夏休みが楽しみだなぁ。

天音Side continue..
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