君の色

ハリーのバイト先は、駅前通りにあるらしい。

「じゃあな、天音。店こっちだから行くわ」
「うん。また明日ね!」
「じゃあな!」

今度は、その楽器屋さんも覗いてみよう。
ハリーと別れ、商店街を目指す。

(この前のまだ残ってるかなぁ?)

雑貨屋さんの扉を開く。

「あった!」

写真立てを手にとる。

(うん。やっぱり佐伯くんっぽい)

他にはないかな?とじっくり見て回る。

自分の、気に入る物はいくつかあったけど、プレゼントにはこれが1番かも。
……と言っても、私がそう思うだけで、佐伯くんが気に入るかはわかんないけどね。

ラッピングを選ぶ事が出来たので、白い包装紙と二種類の青いリボンにしてもらった。

(うんうん。これも佐伯くんっぽい)

満足して店を出る。

さて、目的も果たしたし……

(よし。帰ろう)

この間は、若王子先生だったからよかったけど、他の先生に会うかもだし。
そう思って歩き始めると、お店のディスプレイを眺める千代美ちゃんを見つけた。

「千代美ちゃん!!」
「大崎さん。どうしたんですか?」
「お買い物。千代美ちゃんは?」
「私は この間大崎さんに頂いたプレゼントに合う子を探しに来たんです。」

一人ぼっちじゃ淋しいです。と笑う千代美ちゃん。優しいなぁ。

「私も一緒に探していい?」
「いいんですか?」
「うん。ぜひ。」

二人で店に入り、似合いそうなのを探す。
千代美ちゃんは、とても真剣に でも楽しそうに選んでいる。

「「 これ……。 」」

二人とも、同じ物に手を伸ばす。

「やっぱり これだよね?」
「はい!これです。」

私たちが選んだのは、同じシリーズのマスコット。
タヌキとくれば、やっぱりキツネ。安易だけど。

「ありがとうございました。」
「い〜よ?楽しかったもん。」
「じゃあ 早速帰って、飾ります。」

また明日ねと別れる。
小走りで帰って行く千代美ちゃんの後ろ姿は、とても嬉しそうだった。
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