君の色

休み時間の度に、佐伯くんは取り囲まれているので、さすがに気になる。
はるひちゃん情報だと 19日が誕生日なんだって。
それで、女の子達が欲しい物を聞いてるらしい。

佐伯くんのお誕生日かぁ……。

プレゼント渡さないとね。
友達だし、いろいろお世話にもなってるし。

帰りにでも、何処かに寄ろうかな?

(あ!この間の雑貨屋さん。あそこがいいかも)

うんうんと一人納得。
この間見つけたのじゃなくても、らしいのがありそう。

HRが終わると、いそいそと帰る支度。
思い立ったら吉日って言うし。

はるひちゃんに、バイバイと挨拶をして教室を出る。

校門を出る時、佐伯くんを見かける。
相変わらず 女の子の誘いを断っている姿があった。

助けた方がいいのかなぁ……。

でも、私に気付いてる気配もないし。
悩んでいると 後ろから肩を叩かれた。

「オッス 天音!どうした? こんなとこでぼーっとして」
「あ オッス ハリー。なんでもないよ〜?」
「ふーん? まっいいけど。なんだったら一緒に帰るか?」
「私 商店街に寄るつもりだから、途中まででいい?」
「オレは駅前まで行くからな。それで いいぞ?」

じゃあ一緒に行こうと歩き出す。
ハリーはバイト先に寄るんだって。

「バイトじゃない日も行くの?」
「オレ バンドやってっからなー。」
「へ〜〜! 好きな事でバイト出来るのって幸せだね?」

私もそうだもん。と自分を重ねて言った。

「そうなんだよな! オマエ結構わかってるじゃん!」

その後 音楽とかバンドの話をたくさん聞かせてくれた。
よく判らない事も多かったけど、本当に好きなんだなぁって思った。
prev 2/13 next

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -