天使の梯子

何も買わずに、店を出て商店街の出口に向かう。

「大崎さん。今帰りですか?」
「若王子先生。ノートを買いに来たんです。先生こそ こんなところでどうしたんですか?」
「先生は、校外指導の当番なんです。」
「あぁ〜 なるほど!って事は……。」
「わかりました?」
「はい! わかりました!じゃあ、帰りますね?先生、さようなら!」
「はい。さようなら。気をつけてね?」
「は〜〜い!」

見つかったのが、若王子先生でよかったよね?いや、本当はよくないんだけど。
他の先生に見つからないように、慌てて帰った。

帰ってから、ゆっくりと雑誌に目を通す。

海開き。花火大会。遊園地のナイトパレードかぁ〜。
どれも行ってみたいけど、一人で行く場所じゃないし。
まぁ 仕方ないよね?来年 誰か誘ってみよう。

とりあえず、買ったばかりのノートを鞄にしまう。
かわりに教科書とノートを取り出し、今日の復習を始める。
もうすぐ、テストだしちょっと見直ししとかないと。
高校入って初めてのテストなんだし、頑張らないとね!

……と言っても、今回は見直すだけでいいかな……?範囲が狭いし。冬のテストが怖い気がするけど。

少し怪しい箇所だけ、美奈ちゃんに見てもらう。

「大丈夫。合ってるよ?」
「ありがと〜 私って得しちゃってるよね?」
「どうして?」
「だって、こうやって判らないところ教えてもらえるし。」
「教えてないよ? 見ただけでしょ?」
「今日はね? そのうち全部わからなくなるかも。」
「そのときは、全部教えてあげる。」
「よろしくお願いします。」
「はい! 任されました。」

二人でクスクスと笑う。
本当に、素敵なお姉さんが出来たなって嬉しいんだ。
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