天使の梯子

いつもの曲がり角で、佐伯くんと別れた後思い出して 来た道を引き返す。

(今日は帰りにノート買うつもりだったんだっけ)

商店街の本屋さんで、ノートを物色。
色々な表紙になかなか決まらない。
中は同じなんだから、どれでもいいんだけど やっぱり可愛い方が勉強も身に入る気がする。

(わぁ これ綺麗。)

手に取ったのは、青い海と砂浜の表紙のノートと、青い空と白い雲の表紙のノート。
中をめくると、端っこに表紙と同じ写真が使われていた。

海のノートに彼の顔が、頭に浮かび二冊を脇に抱えた。
ついでに雑誌コーナーへ。

(はばチャの増刊号なんて出てるんだ。)

手にとってパラパラと捲る。
ある特集で、手が止まった。

(夏の行楽特集?)

斜め読みしてみると、海や山の事が書かれていた。
今年は引っ越してきたばかりだから、遊びに行けるとは思わないんだけど……。

(来年のために、読んでおいてもいいかもね?)

普段は、珪くんが載ってる雑誌は買わないけれど、今回はまぁいいかとレジに向かった。

真っ直ぐ帰るのもつまらないかなぁ?と、商店街をブラブラ。
途中で見つけた、雑貨屋さんに入ってみる。
店内は、夏のディスプレイになってて涼しげな感じ。白や青それから黄色。

(もうすぐ夏だもんね〜)

店内をぐるりと一周。
いろんな物があったけど、その中で目に付いたのが……。

貝細工の写真立て

手にとってみたら、やっぱりで

(……ぽいよね?)

そこで気がついた。

(変なの。イメージ結び付けすぎてるよ)

苦笑いしながら、元の棚に戻す。
最初の印象ほど悪い人じやなかったからって、そんなに仲いいわけじゃないよね。
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