デート再び.番外編

同時に口をつけ、同時に感想を述べる。

「わぁ!おいしい!」
「…………うまい。 」

にっこり笑ったマスターが、話を続ける。

「何より 二人の雰囲気がよくてさ。まだ お互いそうは思ってないと思うけどね。君達みたいになれるんじゃないかな?」

名指しされた二人は、お互いの顔を合わせ にっこりと笑う。

「……もしかして 運命かもな。」

「そうだね。運命だね。」

そんな二人を見ながらマスターが続ける。

「もっと仲良くなれるように、佐伯くんに天音ちゃんの好きなアレンジコーヒー教えたんだ。」

「………佐伯、くん?」

「あ!彼の名前。」

「佐伯くんかぁ。」

「……佐伯、か……。」

「珪くん。やっぱり見たいよね?」

「……あぁ。見たい。」

「だから、次来た時のためのコーヒーを準備しとかないとね。」

いそいそと次の試作に入ったマスターを見つつ 二人の会話は続く。

「会えないかなぁ?」

「……たぶん無理だろ。」

「えーー? どうして?」

「美奈子がひやかすから。」

そんな事しないよぉと頬を膨らます。
その姿に微笑みながら続ける。

「そのうち逢わせてくれる。」

「ホント?」

「……たぶん。」

「そうだよねー?楽しみだね! ね?珪くん」

「……あぁ。」

こうして 穏やかな時間が過ぎていくアルカード。
またも 話のネタにされていた事を二人が知ることはない。

親バカ+α 相変わらずな三人の日常。

continue..
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