動き出した運命

ゴミ出ししようと 扉を開けると目の前にさっきの女が立っていた。

「………げ。」

まだ居たのか! コイツ。
いや 今の対応はマズイ。もしかしたらお客かも。
―――とりあえずは。

「ウチの店に何かご用ですか?」

完璧な営業スマイルで聞いてみる。

「あ いえ 道に迷ってしまって……。」

なんだ 違うのか。愛想作って損した。
つーか なんでこんなとこで迷うんだ?
ほとんど一本道なんだぞ?
まぁ、この辺のやつじゃないんだったら、愛想とかいらないよな。
たぶん今の俺、めちゃくちゃイヤな奴だ。
固い表情見てるとわかる。

コイツ……少し俯いてるけど、結構……いや、かなりの美人。
まぁ 俺には関係ないけど。

その後 不機嫌なまま地図を手渡した。

「どうも ありがとう。」

そう言いながら 笑顔で受け取った顔は とても可愛くて………。

「本当にありがとう。さようなら!」

そう言って走り出した後ろ姿と さっきの笑顔と 海を見ていた姿が心の奥に引っ掛かった。

―――なんでだ?

初めて見る女なのに……。なんか 懐かしいような不思議な感じ。

「やっぱり 訳わかんねー。」

まぁ もう会う事もないだろうけど。
なんて、頭を掻きながら店に戻った。

瑛Side continue..
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