デート再び.番外編

the Land of Covenant
アルカードの裏側。

とある喫茶店。
いつものように ぽっかり開いた時間帯 ここのマスターとバイトの女性と常連客三人の、のんびりした空気が店の中を包む。

「最近マスターってご機嫌ですよね?いい事ありました?」

「うん。あった。」

「え!どんな事ですか?

マスターは、試作のアレンジコーヒーを作りながらにっこりと笑う。

「天音ちゃんが来たよ。」

「「 それって……。 」」

「うん。彼氏も一緒だった。」

「えぇー? そんな事、天音ちゃん一言も言ってなかったのに〜。」

女性は、見たいよーを連呼している。

「……どうして それがいい事?」

常連客が、ボソッと もっともな事を尋ねる。

「それがね? この前コーヒーに詳しいかもって話したでしょ?彼 天音ちゃんのバイト先の子みたいなんだ」

「そうなんですか?」

「美奈ちゃん バイト先聞いてないの?」

「凄くいいお店だけど、私達がひやかしに来るからって教えてくれないんです。」

ね?珪くん と常連客に同意を求める。

「……たしかに 見に行きたくなるからな。」

柔らかく微笑んで、あっさり肯定。
そして、話を元に戻すべくマスターに顔を向けた。

「……そのコーヒーと関係ある?」

視線の先には、試作段階のアレンジコーヒー。

「でね? 彼に天音ちゃんの好きなの教えてあげたんだ。」

ウキウキと嬉しそうなマスター。よかったら感想聞かせて?と 二人の前に出す。

「なかなか筋のいい子だよ。頭の回転もいいし、知識もあるし、手先も器用だし。」

「……マスターがそこまで誉めるのって珍しいな。」

「よっぽど 凄いんですね!」

二人がグラスに手をのばす。
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