デート再び

そりゃ まずいだろ。

そう答えようとしたら、頭の上で声がした。

「ウチの店と業務提携したらね?」

ゲッ!いつからいたんだ?
慌てて振り向くと 笑いを堪えたマスターが立っていた。

「ごめんごめん。冗談だから。お待たせ ブレンド二つね。あと これはサービス」

トンと置いたグラスはパフェのような……。

「これは?」
「カフェジェラート。ま 飲んでみて?」
「飲む……んですか?」

大崎もマスターもニコニコ笑っている。
飲むと言っても 一番上はホイップクリームなので、スプーンで奥からすくって口に入れた。

「ジェラートって言うから 冷たいかと思ったのに!」
「驚いた? それエスプレッソドリンクなんだ。」

この人すげー。
名前もそうだけど グラス使ってるし、見た目だって白と茶の綺麗な三層で熱いなんて感じないし。
びっくりしてマスターを見上げる。

「さて、そのエスプレッソは何の豆を使ってるでしょうか?」
「えっ?」
「正解者には そのレシピをプレゼント。ちなみに 店には出してないから、大丈夫だよ?」

ラッキーだね?佐伯くんと笑う大崎を見つめる。
この二人はどういうつもりだ?

「ブラジルサントスとロブスタ。」
「さすがだね。正解。」
「あの……、いったいどういう?」

とまどう俺と やった〜と喜ぶ大崎を交互に見て笑うマスターが口を開く。

「佐伯くんって 素人さんじゃないでしょ?天音ちゃんがバイトしてるお店の子?」

言ったのか!と大崎を睨むと、慌てて 「言ってないよ!」と手をブンブン振っている。

「あぁ、天音ちゃんは言ってないよ?僕も一応、客商売してるしね。それに君から微かに豆の香りするし。」

ニッコリ笑ってマスターは答えた。
やっぱ すげー。

「じゃ、後でレシピと作り方見せてあげる。使うか使わないかは、君の自由だから。これ、天音ちゃん用のメニューだから 彼女だけに作ってもいいからね?」

ごゆっくり〜。とカウンターに戻って行った。
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