デート再び

店に入るとやっぱりいい豆の香りがして。
奥がゆっくり出来るから、と大崎の薦めで少し死角になる席に座る。

「いらっしゃい。今日もデート?」
「あ!マスター こんにちは!」
「佐伯くんもいらっしゃい。」
「こんにちは」

一応 表の顔で挨拶する。

「今日は メニュー見て決めてね?その方がいいでしょ?」
「じゃあ このブレンドを。大崎は?」
「ん〜〜 同じので。」
「かしこまりました。じゃ ゆっくりしてってね。」

しかし さすがだな。
この間 俺がメニュー見たかったのも気付いてるんだろうな。

「佐伯くん ここでは普通でいいよ?羽学の人来ないし」
「ん? あぁ そっか。」

一応だったけど あのマスターなら気付いてそうだな。かなり洞察力ありそうだし。

そう思いながら、手元のメニューをじっくりと眺める。

ブレンドは二種類。
エスプレッソのブレンドもあるのか。
へぇ ストレートも種類多いし。
それに……。

「アレンジコーヒーとか気になるでしょ。」

顔を上げると にこにこした大崎と目が合った。

「なんで?」
「今 百面相してた。」

……そんな顔してたか?

「佐伯くんって、コーヒーの事になるといつもそうなんだよ?気付いてなかった?」
「まじ?」
「うん。 まじ。」

クスクス笑いながら答える。
かなり焦っている俺に構わず、大崎は話を続ける。

「女性客が喜ぶから、店に置いてもいいかも。アルコール使ってないのなら、佐伯くん作れるし。」

盗んじゃう?と悪戯っぽく笑う。
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