誰が気になる?

どこから 脱線したんだっけ?
あ!珪くんからだ……。

「思い当たったか?」

「うん………。」

「で? なに。」

こういうところから脱線したんだよと話す。
最初はちゃんと聞いていた佐伯くんだったけど、途中からは呆れ顔だった。

「くだらない。俺はモデルと比べられたわけだ。」

「佐伯くんだけじゃないよ?ハリーも志波くんも比べられてたもん。」

「お前 バカ。だいたい 俺と針谷だったら俺の方が上なのは当然だ。」

……上なんだ。言い切っちゃうんだ。

「まぁ 負けてないけどな。」

そして 勝ち負けなんだ。負けてない……、う〜〜ん。

私は普段の珪くんを思い浮かべていた。
グラビアの中の珪くんは、本当の珪くんじゃないもんね。

「そだね。負けてないと思うよ?」

目を見開いた佐伯くんは いきなり右手を振り上げて……。

「いたっ! なんでチョップ?」

私はあまりの痛さに 涙目で見上げた。

「お前がバカだからだ。」

「ひどっ!」

あははは と笑い夕日の中歩き出す佐伯くんを追いかけて走り出した。
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