誰が気になる?

仕方なく正直に話す。

「わかんない。考えた事ないし。」

「でも 今までに好きになった人で共通してるところってあるでしょう?」

密ちゃんの問い掛けにう〜〜んと悩む。
ふと 思って反対に聞いてみた。
「じゃあ みんなは?みんなの好きなタイプ。」

「なるほどな。上手い切り返しだ。」

「ですね。何も返せません。」

みんなもうんうんと頷いている。
なんかわかんないけど 私のタイプは答えなくてよさそう。

みんなが答えに詰まっている間に 予鈴が鳴ってそれぞれバタバタ動き出す。

よかった……。話が終わって。
そう思ったのに………。

「帰りにこの続き 聞かせろよ?」

ボソっと耳元に囁いて席につく佐伯くん。
怖い………。逃げちゃおうか?

午後からの授業もなんだか上の空で。
好きなタイプなんて言われても 思い付かないよ。

好きになった人の共通点だなんて………

好きになった人……。う〜〜ん。

悩んでる間に放課後になってて。
ほとんど授業聞いてなかったよ。
帰ったらちゃんと復習しないと。

席を立つと にっこり笑う佐伯くんがいた。

「さぁ 大崎さん帰ろうか?」

……忘れてた……。

「で? お前の好きなタイプやらとは?」

校門を出たら 佐伯くんが口を開いた。

「う〜〜ん。ずっと考えてたんだけど、やっぱり思い浮かばなかった。」

「ずっと? あれからずっとか?」

「うん。」

「ぷっ お前って……バカだなぁ。」

「バカって ひどいなぁ」

「ごめんごめん。いや悪い意味じゃなくってさ……。」

そう言いながらも まだ笑っている。
まぁ いいか。

「それにしても なんであんな話になってたんだ?」

「だよねぇ。最初はスイーツの話だったのに。」

そうなのか?と聞く佐伯くんにうんと頷く。
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