初めての体育祭.瑛Side

昼からの競技 たしか大崎は二人三脚だったか。

あいつ誰とペア組むんだろう。
クリスや針谷はクラスが違うからいいとして 同じクラスで仲いいヤツいたか?
そんな事考えてたら 大崎が何か考え込みながら歩いて来た。

「どうしたんだ?」

思わず声をかけると 顔を上げた大崎がポンと手を叩いた。

「佐伯くんだ!」
「は?」
「あのね? 私二人三脚に出るんだけど パートナーいるよね?」
「……そうだな。それで?」
「相手が必要って今気付いたの。でね? 佐伯くんさえよかったら 相手になってくれないかな〜って思って」
「えっ?」
「あ! でも 佐伯くん疲れてるよね?さっきも疲れた顔してたし……。」

うーーん。と悩み込む大崎。
俺の事 気にしてくれてたんだ……。
それだけの事なのに さっきまでの重い気分が何処かに飛んだようで……。
しかし 今頃気付くか?やっぱり ぼんやりだよな。
そう思ったら笑いが込み上げて来た。

「ぷっ あははは!」
「えっ? なに?」
「いーよ。パートナーになってやる。」

思わず素直にそう言って顔を見ると 一瞬驚いた後ぱっと花が咲いたような笑顔を見せた。

「ホント? ありがとう!よかった〜 佐伯くんに頼んで!」

なんかそれ……反則だろ。
しかし これはちょっとまずかったか……。
足を固定すると 必然的に背が高い俺が肩に手を回す事になる。
そうなると 大崎は俺の腰に手を回さざるをえない。

誰だよ。こんな競技考えた奴。

気にするなって言っても気になるだろ。
いろいろ。そう いろいろと。ついでについ最近の出来事も。
そんな考えを振り払うように 大崎に声をかける。

「やるからには一位だからな」

一瞬大崎の顔が強張った。なんでだ?

訳はスターターの音が鳴った瞬間理解した。
なるほどな。だから100m走もそうだったのか。
しかし今は そんな事を考えてる暇はない。
勝負はいつも真剣勝負だからな。
大崎に指示を出しながら スピードを上げる。
やっぱり運動神経あるよな。
結構 キツイはずなのについてくる。

「やったな! やっぱ俺達 息合ってるもんな!」

一位でゴールテープを切り、思わず 本音を漏らすと大崎はそうだねとにっこり笑った。

やっぱ それ反則。
prev 5/6 next

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -