初めての体育祭

応援合戦で始まった午後は はるひちゃんのチアリーディング姿と 竜子さんの学ラン姿が印象的だった。

次に自分が出る競技が近づいて来て ふと 相手が必要だった事に気付く。
どうしようかな?と歩いていたら、佐伯くんが声をかけて来た。

私 いい事思い付いたかも!
と手を叩き 佐伯くんに聞いてみた。
あ!でも疲れてるだろうから ダメだよね?

「ぷっ あははは!」

すると 急に佐伯くんが笑い出した。

「えっ? なに?」
「いーよ。パートナーになってやる。」

なんだか機嫌のいい佐伯くんが相手になってくれた。足を固定し 腰に手を回す。

「やるからには一位だからな」

本当なら男の子と密着して ドキドキするんだけど……
一位と言う言葉に ある不安が頭をよぎり ある意味ドキドキした。

スタートが肝心。あっちは気にしないで 佐伯くんの合図に集中。

呪文のように頭の中で繰り返し、スタート。
後は必死に着いて行って一位でゴールした。

子供のように喜ぶ佐伯くんを見て ホッと胸を撫で下ろす。
よかった……。ばれないで。

クラス対抗リレーの後は フォークダンス。

「よろしくね!」

と 手を出すと そこには志波くんがいた。

「あぁ。よろしく」
「志波くんって 足凄く早いんだね? びっくりしちゃった」
「そうか?」
「うん。凄かった! 志波くんが同じクラスだったら総合優勝だったのになぁ」

残念だよと話すと 急に志波くんは笑い出した。

「え?なんで??」
「いや、悪い。でも ククク お前ってホント面白い」
「え〜〜? そうかなぁ?」
「あぁ 飽きない。じゃあ またな」

飽きないってなんで?
それに 面白い事言ったつもりはないんだけど。

何処が面白かったんだろう?

さっきの会話を思い起こしてると手をグッと引っ張られて現実に戻った。

顔を上げれば佐伯くんで……
なんか不機嫌?どうしたんだろ?

「よろしくね? 佐伯くん」
「あぁ」

何となく気まずくて。
ホントにどうしたんだろ?
気になって問いかけてみると、突然意地悪な笑顔で 私が隠してる事を 言い当てた。

なんでばれてるの!!

今まで誰にも気付かれた事ないのに!

慌てながら顔を見ると 佐伯くんはなんだか嬉しそうで……
そんな顔見たら……
まぁ いいか。知られたのが佐伯くんならって思った。

どうしてそう思ったのか不思議だけど。
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