デートみたいな?
the Land of Covenant
アルカードの裏側。
珍しくぽっかり開いた時間帯。
店の中には ここのマスターとバイトの女性と常連客の3人だけ。
「この間ね。天音ちゃん来たよ?男の子連れて。」
「ええっ? いつですか?」
「先週の日曜日。お洒落して カッコイイ子連れて来た。」
「あぁ……、配達に来た日?」
「えっ!? 珪くんも会ったの?」
「いや、……天音がコーヒー届けに来て……。あの服着てたから……。」
「あの服?」
「私と珪くんがデート用にって選んだんですよ〜!じゃなくて! どんな男の子でした?」
「……俺も気になる……」
「そうだなぁ……。見た目はかなりかっこよかったよ?珪くんに負けないくらい。ちょっとタイプは違うけどね? それとコーヒー好きだった。あれはかなり詳しいと思うよ?」
「へ〜〜〜!!」
「セレベス・トラジャ出したんだけど、香りでわかったみたいだし 入った時からウチの雰囲気に気付いてたみたいだしね」
「マスター こだわってますからねぇ? それがわかるなんて――」
「……素人じゃないな……」
ね?と二人が顔を見合わす。
「また 彼氏と来てくれると嬉しいんだけどねー。」
「私も見たいな〜。天音ちゃんの彼氏。」
「……俺も。」
この三人の中では 天音の恋人決定とされている事を まだ二人は知らない。
親バカ二人+α 三人の日常。
穏やかな昼下がり。