デートみたいな?

じいちゃんに頼まれて 大崎と買い物に行く事になった。

あいつとは階段で、例の事があってからなんとなく気まずくて。
あっちは気付いてなかったんだから 俺の態度がおかしいと思ってるんだろうけど。
待ち合わせ場所には 少し遅れて着いた。

あんまり早く行ったら 楽しみにしてたみたいに思われるのが嫌だったから……。
大崎はチョップしようと隠れてたみたいで……。
甘いんだよ。俺にチョップをかますなんて。

そんなやりとりの後 まじまじと見ると なんか可愛い恰好してて。
春らしい色で ふわっと女らしいというか……。
髪も いつものポニーテールだけど アレンジしてあって。

なんというか 俺好み。

それを口に出すべきなのか悩んだけど、チョップをして先に歩き出した。

デートでもあるまいし。
バカップルみたいな事言えるわけないって。

いくつか店を回る間に 気まずさもなくなってきて。
大崎がショーケースを覗き込んでる横に並ぶ。
ちょっと手が込んだスプーンが気にいったのか 熱心に見ていた。

一緒になって覗いてみると 店に合いそうな 海を連想させるデザインで……。

やっぱり こいつとは趣味が合うんだよな。

その後 旨いコーヒーがあるからと連れていかれた……。

まぁ あれだけ詳しいんだから、下手な店ではないだろうとは思ったが、はっきりいって驚きだった。
外観は落ち着いた普通の喫茶店なのに、中に入るとかなりこだわった豆を使ってる香りがする。

大崎が座ったのは カウンター。

たぶん わざと。
ここなら よくわかるから。

マスターとはかなり顔見知りらしく オーダーも通さなかった。
ちょっとメニューが気になったけど 大崎の様子だと普段からそうなんだろう。

よっぽど 好みがわかってるか自信があるからか……。

ぼんやり考えてると コーヒーを配達なんて会話が聞こえてきた。
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