デートみたいな?
マスターにこのコーヒーの銘柄を聞いてみる。特別なくらいだから、私が知らない銘柄なんだと思って。
「帰り道 彼に聞いてごらん?」
どうしてか分からないけど、マスターは佐伯くんに聞いてみろって。
「佐伯くんは 銘柄わかったの?」
「ん? あぁ。あれは セレベス・トラジャ。品質にこだわってるから生産量も少なくてさ。幻のコーヒーとも言われてる。」
「へ〜〜そうなんだ。たしかに凄い香りがよかったし 苦味とか独特だったよね?」
それにしても 佐伯くんってさすがだよね。
よっぽどコーヒーが好きなんだろうなぁ……。
そのあとは ほとんどアルカードやコーヒーの話ばかりで。
私とアルカードの繋がりとかは 少し曖昧にして。
会話に盛り上がったまま 家の近くまで送ってもらった。
「今日は ホントにありがとう。とても 楽しかった!」
「あぁ……、俺も楽しかった…かな?」
「じゃあ また学校でね!」
「あぁ。」
今日は マスターに感謝だよね?
あの気まずさがなくなったもの。
まさか……、わかってたなんて事はないよね?