デートみたいな?

頼まれた物を買うため 何件かお店を覗く。
ディスプレイ用のランプシェードとか小物とか。
海を連想させるものばかりで、なんとなく佐伯くんだなぁ……。なんて考えてた。
その中でシルバーのティースプーンが目に入った。巻き貝が彫られてて、柄の部分が波打ってて独特な感じ。

「なに見てんの?」
「これ……、素敵だなって思って。」

2人でショーケースを覗き込む。

「うちの店に合いそう。」
「青と白のカップとかにいいよね。」

頼まれたリストにはなかったから買う事はなかったけど……。
そんな 何気ない会話が楽しくて、朝までは気まずいなんて思ってたのも忘れてた。

「どっかでちょっと休むか。」
「それなら この先のお店がオススメ。誰にも教えたくないんだけど 佐伯くんにならいいかな?」

そう言って 着いたお店はアルカード。
友達とかに教えると騒ぎになるかもだけど、佐伯くんなら男の子だし興味もないだろうから大丈夫だよね?
それに、コーヒーも飲んでほしいし。

「こんにちは〜〜」
「おやっ? 天音ちゃん いらっしゃい。お好きな席にどうぞ?」
「はぁい。佐伯くん カウンターでいい?」
「あぁ。」

たぶん ここの方がいいかな?
入った瞬間、佐伯くんの目が変わったし。

「おまかせ。でいいかな?」
「うん。佐伯くんもいい?」
「ん? あぁ。」

マスターはニッコリと笑って豆を煎りはじめた。
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