男の子は力持ち

いい人だなぁ〜〜

なんて思いながら、一番最後に教室に戻る。

「天音!あんたスゴイなぁ!!」
「? なにが?」

唐突な はるひちゃんの言葉にびっくりした。

「なにが?って! 見てたで?あんた 志波と仲いいんやなぁ?すごいわ」
「志波くん? さっき初めて話したんだけど いい人だよね?」
「……ほんま あんたはすごいわ。」

はるひちゃんの話しでは 中学の時いろいろあって 今では怖がられる存在らしい。
―――そんな感じしないけど。

確かに無口っぽいけど 目がすごく優しかったし 困ってる私を助けてくれたんだもん。
やっぱり いい人だよね?

昼休みも終わりになる頃、図書室に本を借りに行った。
この学校って 力を入れてるらしくて充実してるんだよね。

お目当ての本を探す。見つけた場所は………

「……あんなところに……」

どうして1番高い棚にあるの!

周りを見渡しても 台とかないし。
仕方ないから 必死になって背伸びして。

「……ん〜 もうちょっと……」
不意に 視界が暗くなったと思ったら……

「もうちょっともなにも……。完全に無理だろ。」

そのままの姿勢で 上を向く。

「あ! 志波くん!」

しばらく 黙って見つめ合う。
ふいに視線を逸らした志波くんに催促をされた。

「………どれだ?」
「なにが?」
「本、とるんだろ?」
「あぁ〜〜 ごめん! えっと。 左から4番目の……それ!」

軽々と本棚から抜き取ると、ほら と渡される。

「ありがと〜 今日は志波くんに助けてもらってばっかりだね!」
「別に構わない。」

その後 少し話したんだけど 志波くんはよく図書室でお昼寝してるらしい。
静かだし よく眠れるんだろうなぁ〜〜。

「志波くんみたいに背が高いといいよね〜 軽く本とか取れちゃうし。私も高くなりたいなぁ」
「今のままで十分だろ。それに高くなったら頭ばかり気にしなきゃならなくなるぞ?」
「そんなに鈍くさくないよ〜?」
「どうだかな。」

私の頭をポンと軽く叩くと。笑いながら出て行った。
やっぱり いい人だなぁ〜。
それに 話しやすい人だよね?
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