アクシデント

じいちゃんは、大崎をよっぽど気に入ったらしい。

週2のバイト以外にも、なんだかんだとシフトに入れていたりする。
それを俺に言わないから結構焦るんだ。

そりゃそうだろ。今まで2人でやってたから、その空間が当たり前で……。
なのにあいつは入ってまだ半月あまりなのに、なんだか馴染んでて。

別にそれが悪いとは思わない。

正直仕事は楽になって、勉強とか睡眠とか前より取れるようになった。

多分 じいちゃんはそこが狙いなんだろうけど……。

じゃあ あいつは?
今までと違う生活なんだろうから 負担になってるんじゃないか?

そんな事思ったから、じいちゃんが月曜にも来いなんて言うのを反対したんだ。

――なのに………。

学校の帰り道、前を歩いてた大崎が一緒に店に行こうと言い出した。

まぁ、俺が鍵持ってるんだし。
そう思って何も考えず歩き出した。

「あんまり 私がそばにいると 佐伯くんに迷惑かかるよね……」

しばらく黙っていたら、大崎が当然そんな事を言い出した。

違うだろ!迷惑かけてるのは 俺だし!

そう言おうと思ったけど、なんとなく言えなくて。
どんな言葉を使えばいいのか まったく解らなかった。

……俺って、バカなんだろうか……。

何も答えられないから 足早になるしかなくて。
文句を言う 大崎が小走りでついて来る。

「こっちから行くぞ。近道だ。」

なるべく人がいない方がいいと思い、砂浜に抜ける階段を降りた。
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