初出勤!

「こんにちは。アルバイトの方ですか?」

後ろから初老の男性が顔を出した。

ちょっと 佐伯くん似てる?

「はい! 大崎 天音です。」
「よろしくお願いします。この店のマスターで、瑛の祖父です。」
「よろしくお願いします。」
「よろしくない!帰れよ!」
「これ 瑛。女の子になんて口のきき方するんだ。」
「だって、こいつ絶対ばらしちゃうよ!」
「ばらさないし 帰りません!」
せっかく見つけた 憧れのバイトなんだもの。
絶対佐伯くんの言う通りになんてしないんだから。

必死に食いついたら、マスターが助け船を出してくれた。

見た感じは似てるけど、マスターは優しくて素敵だな……。

―――佐伯くんとは 大違いだ。
店の制服に着替え 髪をアップにまとめる。
憧れの恰好になんだか感無量……なんて浸ってたら

「遅い!」

怒られて チョップされた。
痛いし どうしてチョップ?
意味が分かんない!

その後はマスターに言われて、カウンターの近くで佐伯くんの応対を見学。
言葉遣いとか、コーヒーの説明とか、普通の喫茶店とは違ってこだわりがあるんだ……。

それにこの香り。
私 すごいところにバイトに来たのかも。

「これ。2番テーブルだから。」
「あ。はい!」

しばらくすると、2客乗ったトレイを渡された。

これって 違うブレンドだ。
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