ハッピーバレンタイン

そんな疑問を昼休みにみんなにぶつけてみる。

「オレは一応食うけどな。」

「……俺なら余裕で食える。」

「あんたらアホちゃうの? 今聞いとんのは佐伯の事やん。」

みんな忙しいのは知ってたけど、声をかけたら集まってくれた。
いくつか合わせた机の上には、昨日作ったタルト。
みんなの前に一つずつ並べていく。

「へぇ……。 大崎君は、お菓子を作るのが好きなのかい?」

「うん、あまり上手じゃないんだけど。それより氷上くん、忙しいのに呼び出してごめんね?」

「いや、構わないよ? しかし、こんなに綺麗に出来てるのに、食べてしまうのが勿体ない気がするね。」

「ラズベリーの上に雪が降っとるみたいなんやね?天音チャン、これ作るん大変やった?」

並べる度にみんなが恥ずかしい事を言う。
だんだん自分の顔が赤くなるのが分かる。

「天音チャンかわいー 顔真っ赤っかや。」

「クリス、あんまり大崎をからかうんじゃないよ?」

「そうですよ、せっかく大崎さんが作って下さったんですから、美味しく頂きましょう。」

「待ってました! 天音〜、ホンマにありがとな〜?」

「ううん。みんなにお世話になってるお礼だから。いつもほんとにありがとう。どうぞ?食べてね?」

「いただきます」と食べ始めるみんなを見ながら、自分も一口食べてみる。

私にはちょうどいいけど、みんなはどうだろう?

「めっちゃ 美味しいやんか〜!こんなん作れるんって、羨ましいわ〜」

「ホント? よかった!そんなに難しくないから はるひちゃんだって作れるよ?」

女の子はやっぱりレシピが気になるのか、みんなに後で教えると約束。

男の子はどうだろう?と見ると、みんな食べてくれててホッとする。

「佐伯くんは残念ね? 天音さんのチョコ食べられなくて。」

「あいつは山ほど貰ってるんだからいいんじゃねーの?」

「うふふっ。それとこれとじゃ違うわよ?」

「そうやなぁ〜 瑛クンは残念さんやなぁ〜」

そうかな?あんなにたくさん貰ってるんだし、私のチョコなんていらないよ。

また両手に抱えて教室に入ってくる佐伯くん。

うん、あんなに持ってるんだから、私のチョコはいらないし迷惑なだけだね。
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