揺らめく海の底

「天音と佐伯って 接点なさそうやけどなんやらええ雰囲気やな?」

「ふふっ そうよね? いつの間に仲良くなったのかしら?」

「そっ そうかなぁ? そんな事ないと思うんだけどな」

「なんやら怪しげな態度やな!これはきっちり聞かなあかんやろか?」

ニヤニヤと笑う はるひちゃんと意味深に微笑む密ちゃん。

私 ピンチかもしれない。

こんなことなら 事前に打ち合わせしておくべきだったかな?

「その辺にしときな。大崎が困ってるじゃないか。」

「竜子姉は 天音に甘いわ〜!羨ましいよなぁ〜。」

竜子さんは はっきりした言い方をする人だけど 気配りがすごいんだよね。
今も竜子さんの一言で、すっかり話題が変わっちゃった。

「竜子さん ありがと」

「なんのことだい? アタシは礼を言われるような事は何もしてないけどねぇ」

小声でお礼を言うと タラモサンドをひょいと口にほうり込みながらそ知らぬ顔。

竜子さんみたいな素敵な人と友達になれてよかったな。

その後 少し休憩して、まだ見ていないところを回って。
お土産がたくさんあるショップでまたひと騒ぎ。

ぬいぐるみやストラップを手に取って楽しそうな女の子達と違って、男の子達はまるで興味がなさそう。

そんななかで お饅頭を前に真剣に悩む志波くんがいた。

「志波くん。近くなのにお土産買うの?」

「大崎。 ……これとこれ。どっちが旨いと思う?」

「そうだね…… 私はこっちのカスタードクリーム入りが気になるけど……」

「じゃあ そうする」

「え? いいの? 私が決めちゃってよかったのかな?」

「あぁ。俺が食うから。」

そう言って2箱持つとレジに向かって行った。

それなら さっき悩んでたの両方買えばよかったんじゃないかな。

みんながそれぞれ何かを買おうとしているのを見て、私も何か買おうかな?って順番に商品を見る。

可愛いなって思ったのが イルカの置物。
さっき聞いた不思議な鳴き声、海のような空間。これを見たらいつでも思い出しそう。

陶器とブロンズもあったけど 迷わずガラスのイルカを選ぶ。ヒレが透き通った青で とても綺麗。やっぱりさっきのイメージはガラスが一番近いよね。

お会計を済ませて店の外に出ると、みんながこれからの話をしていた。
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