見上げる夜空

体育館に戻ったのはいいんだけど、みんなどこにいるんだろ?
なんだか人口密集度が増えてるよね?

キョロキョロと辺りを見回していると、千代美ちゃんの姿が見えた。

「千代美ちゃん!」

「あ!大崎さんじゃないですか。どうかなさったんですか?」

「みんなを探してるんだけど、千代美ちゃん見てないかな?」

「皆さんならこちらですよ?」

案内されてやっとみんなのところに辿り着く。

「天音!なんや遅いわ!」

「ごめんね? なんだか人が多くなってるから、見つけられなくって」

「あれやん。プレゼント交換が始まるでや」

そういえば 最初に渡したよね?
どうやって交換するんだろ?

「メリークリスマス! 君にはこれをどうぞ?」

いきなり現れたサンタにプレゼントを押し付けられる。
このサンタさん誰なんだろ?
生徒か先生のどちらかだよね?

「天音さんは何だったの?」

サンタに気を取られてる間に みんなはもうプレゼントを開けていた。

「え〜っと…… あ!サンタブーツ!わぁ〜 懐かしい!」

「なんだそれ? しかも値札付いてるじゃねーか。誰だよ? そんなん出したのは」

「………俺」

「志波! もちっと頭使え!」

「クリスマスと言えばブーツだろう」

「なんでだよ!」

「ちょっ!ハリー!いいじゃないブーツだって。お菓子いっぱい入ってるし。どうもありがとう 志波くん」

「いや。喜んでくれたんならいい」

そういえば私のプレゼントは誰のところに行ったんだろう。
ちょっと残念だなぁ……

でも こういうのはドキドキして楽しいよね。

友達が出したプレゼントが回ってくる事だってあるんだもん。
確率からいえば 凄い事だよね。
そっか そういう事も考えてプレゼント選んでも楽しいんだ。

楽しかった余韻に浸りながら 帰り道を歩く。
街灯の下に立っている人がいた。

「あれ? 珪くん。どうしたの?」

「……迎えに来た。暗いから」

「大丈夫なのに。でも ありがと」

「……楽しかったか?」

「うん。楽しかった!プレゼントも貰ったよ?ほら!」

ブーツを見せると びっくりした顔。
でも すぐにクスクスと笑い出す。
なんだかツボだったみたい。
笑いが止まらない。

「よかったな? 天音。」

「うん。よかった」

クスクスと笑い続ける珪くんと夜の住宅街をゆっくり歩いて帰ったのだった。
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