私に出来る事

街中が 早々とクリスマスの色に染まる頃、学校では怒涛の一週間に突入する。

はるひちゃんと密ちゃんが休み時間のたびに 千代美ちゃんのところで次のテストのヤマを聞いて怒られてたり、それを竜子さんが呆れながらもフォローしてたり、氷上くんが図書室でみんなに勉強教えてる近くで志波くんが爆睡してたり。

クリスくんは相変わらずあちこち絵を書いてて、ハリーはテストを気にしてないのか音楽室でギター弾いてて。

佐伯くんは、テスト期間中は女の子に追いかけられる事も少ないみたいで なんとなく機嫌がいいみたいだった。

私はと言えば、マスターが気を使ってくれてバイトを休みにしてくれたのもあって、勉強はまぁまぁ出来たと思うんだけどな。

ただ二週間もお休みを貰ったのは 心苦しいんだよね。
だから やれるだけの事はやったつもりなんだけど……

「天音〜!! あんた見て来たん?」

「ううん。まだだけど。はるひちゃんは見たの?」

「さっき見て来たで? 赤はぎりぎりなかったわ〜」

「じゃあ プレゼントもお年玉も安泰だね?」

「それはどうやろか〜?それより天音!あんたまた一位やったで!」

「そうなの? 今回はダメだと思ってたんだけど。」

化学と数学にひっかかるところがあったんだよね。
もうちょっとしっかり勉強しないと。

「よう言うわ。どんな勉強法なんか教えてもらわな」

「勉強法って……予習と復習だけだよ?」

「そんなわけないやろ〜?まぁ とりあえずテストは終わったし、今度でええけどな!
今日はみんなで お茶でも行こや!もちろん トップの天音のおごりでな!」

「えっ? ちょっ! はるひちゃん?!」

にやりと笑うと教室を飛び出して行く。
こういう時の行動は ホントに早いよ。
そして放課後には、はるひちゃん 千代美ちゃん 密ちゃん 竜子さん、いつものメンバーが集まっていた。

「今日のオススメは駅前のカフェの冬季限定ケーキ!天音のおごりやったら もっと美味しいで!」

「西本さんは こういう事には頭の回転が早いですね」

「当たってるけど 口に出しちゃダメよ?チョビちゃん」

「チョビじゃなくて千代美です!何回言えばいいんですか!」

「まぁ どっちでもいいじゃないか」

「よくありません!!」

賑やかに駅前まで歩いていく。
どうして 私の奢りなのかよく分からないけど……

みんなでお茶って久しぶりだし、楽しいからいっか。
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