想いを込めて
あまり時間もないからと 騒いでいる針谷と西本は無視されて 和やかに食事が進む。
小野田達にプレゼントを貰った大崎は、とても嬉しそうだ。
(針谷も知らないって事は なんでもないから知らないんだろうか?)
自分に都合よく考えてしまう。
でもそれって、俺もその中に入ってるって事だよな。
大崎にとって 俺は結構近い人間だと思ってたけど……
(つーか 俺にとっては一番近い人間なんだけどな。)
楽しそうに笑う大崎を見ながら、ぼんやりと考えていた。
「ほんならこの辺でお開きにしよか!ホントは まだまだ物足りやんけどな!」
予鈴5分前に、西本の声がかかる。
「天音。来年はすっげーの用意するからな!」
「ボクも!来年は張り切って用意する!」
「……俺も」
「うん!ありがとう!じゃあ期待して待ってるね?」
来年は……みんな用意するんだな。
(………俺は………)
机の上にある、アレを思い浮かべる。
誕生日にって思ってたわけじゃなかったけど……
それと………アレも。
いつにしようかって思ってて、何となくタイミングを逃してたアレ。
(きっと……今日がちょうどいい)
あれから一度も言われた事ないから、大崎は忘れてしまってるのかもしれないけど。