文化祭 おまけ

文化祭おまけ 瑛編

これは……何かの罰ゲームだろうか?
俺……最近何かこいつにしたっけ?

「なぁ…… 本当にこれなのか?」

「これって……ただのエプロンだけど?」

そう!エプロンだけどさ!
「ただの」じゃないだろ!どう見ても!

バシッと広げ 正面に向ける。

絶対こんなのイヤだ!

「これの何処がただのエプロンなんだ!」

「どこをどう見てもエプロンだよ!もー!意味わかんない事言ってないで早くエプロン着けて!」

無理矢理被せられ、紐を結ばれる。
かなり強引だ。

「ねぇ 苦しくない? ちょっとこっち向いて?」

「やだ」

「どうして?」

「どうしても!」

「もー ホントに意味わかんないよ!」

ぐいっと腕を引っ張られて、思わずバランスを崩す。
足を踏ん張ったのが、引っ張られた足だったから こいつの正面で体制を立て直した形になった。

「ぷっ。あははは! やっと判ったよ!佐伯くんが嫌がった理由!」

「お前なーー!」

「ごめんごめん! にっ 似合ってるよ?……うん。かっ 可愛い……と思う……。ク、クマの……ぷっ あはははっ!」

「笑うなっ!! 俺 絶対こんなのイヤだからな!」

「………可愛いよ?」

お前、今まで腹抱えて笑ってただろ!
笑いすぎて涙目のお前が言っても、説得力ないんだよ!

「 い ・ や ・ だ ! 」

「 ダ ・ メ ! 」

「なんで!」

「ひとつは 忙しいの!もうひとつは、佐伯くんだって、私を水着エプロンにしたでしょ!」

「あれは!」

「海だからって言いたいんでしょ?ここだって、同じだよ!これしかないんだから、諦めてね!はい! お仕事 お仕事!」

まともな事は言っている気はするが、笑いを堪えながら背中を押されて 裏から追い出される。
ちょうど入って来た女子達と目が合った。

「あ〜〜! 佐伯くんだ!」

一斉に集まる視線と、黄色い声。

「いらっしゃいませ。三名様ですか?ただいま、お席までご案内します」

思わず、何でもない顔をしながらにっこりと笑い仕事モード。我ながら条件反射する体質が恨めしい。

(絶対に後でチョップしてやる!)

end→
prev 7/10 next

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -