文化祭

「ここなら ちょっとゆっくり出来るね?」

「そうだな」

「すごかったね? いっぱいの女の子に連れて行かれて」

「見てたのか?まったく アイドルでもあるまいし 勘弁してくれっつーの」

「あははは。ホント大変だねぇ」

「お前 そんな事思ってないだろ」

「そんな事ないよ〜」と目を泳がすから チョップ。
やっぱり 面白いがってるだけだ。

「痛いよ〜!」

「だから 愛情表現なんだって」

「痛い愛はお断りだよ」と涙目の大崎に笑う。

「じゃあ、どんなのだったらいいんだよ?」

「ん〜? もちろん優しい愛だよ」

「優しいチョップか?」

「どうして チョップなの!?」

廊下から聞こえてくる 騒がしい声。
大崎と居ると忘れそうだ。ここが学校って。

「佐伯くん お昼からどうするの?」

「ん? そうだな……。たぶん どっかに隠れてる。お前は?」

「私? みんなの所を回る予定。時間帯が違うからよかったよ。佐伯くんも、一緒に回れたら楽しいのにね?」

冷めたコーヒーを飲みながら 何気なく言う。

だから お前そういうのは反則なんだって。
思わず一緒に回ろうって言いたくなるだろ?

「それじゃあね」

カップを返すために 戻っていく大崎の背中を呼び止めたくなるくらい。
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