アイドルみたい?

たしかに釘はさした。
しかしここまで違うと、本気で嫌われたのか……、とも思う。たぶん周りのやつは気付いてない。俺だけが 気付いてしまった。

深入りすると後が面倒だ。

そう、もう一人の自分が言っていたが、本当に嫌われているのか確かめたくなった。

ある休み時間、大崎は席を立たなかったからケーキの話しをふってみた。
戸惑いながらもちゃんと答えてくれていた。

ふーん、コーヒー好きなんだ。

俺と同じ。
やっぱり気が合うかも。

それに、たぶん嫌われてはいない。
最初の俺と今の僕が結び付いてない……。
そんな瞳をしている。拒絶じゃなくて戸惑い。

―――よかった……。

ホッと胸を撫で下ろす。
なんでだ? なんでこんな気持ちになる?
最近会ったばかりなのに。
大崎の事 何も知らない。

それに深入りされて、店の事を学校にばれたりしたら困る。

珊瑚礁は俺のすべて。
命より大切なもの。

だから やりたくもない優等生なんて演じてるのに……。

だけど 大崎を見ていると 懐かしい気持ちになる。
何か大切なものを何処かに置いてきたような……。
なくした何かを見つけられるような……。

そんなわけないのに。

なんて事ばかり考えていたからか、次の日の放課後気が緩んでいたんだ。
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