思いがけない日曜日 番外編

ショッピングモールに戻ると、雑貨屋でなにやら物色している。
さっきとは違ういつもの天音。
なんだかんだ言いながら、周りの視線や言動を気にすることのない天音は やっぱり美奈子そっくりだ。
今日は一人で俺のプレゼントを探しに来るつもりだったと苦笑いする天音と一緒に気にいるものを捜す。
こういう時間はとても楽しい。

周りが注目する視線の中に、何か違う雰囲気を見つけて目を凝らす。

色素の薄い髪の、整った顔立ちの男が 天音を不思議そうに見つめている。
年齢は天音と同じくらいか?

――あいつが佐伯だ。

俺のカンは当たるから、多分正解。
マスターの言うとおり 見た目はなかなかのものだ。
今の天音をはっきりとわからないにしろ、似てると思って見てるんだろうから まぁ ぎりぎり合格ってところだよな。

こっちを気にしながら遠ざかる姿を気付かれない程度に目で追う。
いつかはちゃんと会ってみたい。

(天音に合う男がどうか確かめないと。)

買い物を終えた天音の手をとり、彼が去った反対方向に向かって歩き出す。
万が一 ばったり会ってしまったら、気付かれるかもしれないし。

まだ、お前に渡すつもりなんてないんだかからな?
――なぁ? 佐伯?

珪Side.end→佐伯Side.
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