思いがけない日曜日

「じゃあ……俺も一緒に探す」

「自分のプレゼントなのに?」

「一緒に探す過程もプレゼント……」

なるほど。そういう考え方もあるんだね……。
それなら 楽しく探さないとね?
どんなのがいいんだろ?
珪くんはシンプルなのが好きだよね。
それから お洒落なので邪魔にならなくて……。
案外難しいなぁ……。

「……百面相だな」

「ひどい!真剣に考えてるのに!」

「ハハッ。冗談。……これなんかどうだ?」

珪くんが手に取ったのは、シルバーのコロンとした猫が付いたストラップ。
あ。可愛い。
5センチほどの猫は、首にちゃんとリボンを巻いている。

「いいの? 安いよ?」

「……値段じゃなくて、気持ち」

「そうだけど……」

たしかに気持ちが大切だけど。
でもなぁ……

(あ!そうだ!)

いい事思い付いちゃった!
にんまりと笑うと ストラップを掴んだ。

「じゃあ 買ってくるね」

「……ん? あぁ」

店先に珪くんを置いて レジに向かう。
気持ちが大切なんだから これもありだよね?
判るように色違いの袋に入れてもらって 珪くんの元に戻る。
何処かを見つめてる珪くんに声をかけた。

「お待たせ。ってどうかしたの?」

「……ん? なんでもない」

「はい。お誕生日おめでと。これ どうぞ?」

「あぁ ありがとう。……そっちは?」

残りの二つの包みを指差した。

「こっちが 美奈ちゃんでこっちが私。三人でお揃いね?首のリボンが色違いなの。珪くんは緑。美奈ちゃんはピンク。私は水色」

「……お揃いか。いいな。大事にする」

嬉しそうに笑って、手を差し出す。
喜んでくれたみたいでよかった。
一緒に探すのも楽しいよね。
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