思いがけない日曜日

行き交う船や、波間に漂うカモメを見ながらふと思い出した。

そういえば 最近こんな事あったよね……

(あ!そうだ。佐伯くんだ)

彼もこんな風に 肩を枕にしてたっけ。

暖かい日差しと、気持ちのいい風が吹いてて……
欠伸をする佐伯くんに「眠っていいよ?」って言ったら、本当にすぐ眠っちゃって……

(やっぱり、疲れてるんだ)

毎日学校で気を使って、お店で仕事して。
勉強もちゃんとしてるんだもん。

(……疲れちゃうよね?)

そんな事を考えてたら、だんだん体が傾いてきて……
もたれ掛かってきた。って思ったら頭が肩にのっかって……
佐伯くんの頭の重みとか、規則正しい息遣いとか、なんかいい香りとか……。
すごく焦ったよね……。
こう、心臓が跳ね上がったというか。
上手く説明出来ないんだけど。

(珪くんだとなんて事ないのに)

やっぱり慣れのせいなのかな?
肩に乗せる感触は変わらないんだけど……。
ちらっと珪くんの髪を見つめる。
重みとか、息遣いとか、ちょっと違うけどいい香りは変わらないよね?
ただ、腕に当たる相手の熱が違う気がする。

佐伯くんの方が、暖かかったような……。
珪くんの体温が低いとかじゃないんだろうけど。

(う〜〜ん。なんでだろ?)

「……ん。おはよ。」

「おはよー」

珪くんがぼんやりと目を覚ます。
ちょっと寝ぼけてるのか、焦点の合わない瞳に 苦笑いする。
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