思いがけない日曜日

「……天音。どうかしたのか?」

突然、後ろから声をかけられて飛び上がった。

「びっ びっくりした!急に声かけないでよー」

気配なく近づくから心臓に悪い。

「悪い。そんなに驚くとは思わなかった。……待ったか?」

「ううん 全然。さっき来たばかりだよ?」

「そうか。……じゃあ行くか?」

「どこへ?」

「……どこだろう?」

「美奈ちゃんとは、どこへ行くつもりだったの?」

「………さぁ?」

やっぱり 相変わらずな人だ。
おっとりしていると言うか、のんびりしていると言うか。

「じゃあ 臨海公園で散歩しようか? のんびりできそうだし。」

「……天音。場所覚えたのか?」

「ううん。わかんない。」

「……だろうな。」

手を差し延べられて、何気なく握る。
相変わらず子供扱いだ。
珪くんといい、佐伯くんといい。
私にはお父さんが二人、いや三人いるみたいだよ。
それだけ危なっかしいって事なのかな……。
自覚はないけど……。

「どうした?」

「ううん。なんでもない」

「……ちゃんと覚えろよ?」

「無理!」

「なんだよ?それ。」

ハハッと珍しく声に出して笑う。なんだかご機嫌だ。
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