再会

教室に入って、窓際の1番後ろに座る。
ふと 前を見るとさっきの……、大崎 天音が少し前の席に座っていて楽しそうに話している。

一緒にいるのは 内部組の女だ。もう友達が出来たのか……。
何となく周りを見渡すと、男達が 大崎を見ながらヒソヒソ話していた。
たしかに 美人だしな……。
なんて、そんな事をぼんやり考えていると降り注ぐ黒い影。

「佐伯く〜ん!」
「一緒のクラスになれて すごく嬉しいよぉ。」

いつの間にか周りを囲まれていた。
ヤバイと思い愛想笑いで返事を返していたら、あいつが振り返ったのが見えた。
かなり 驚いた顔をしている。

―――まぁ そうだろうな。

俺じゃなく僕、を見たのは初めてだし……。
一瞬目が合った気がしたけど、あいつは何も言わなかった。
ホッとしたけど、妙に残念な気がしないこともない。

―――なんだ?それ。

適当に取り巻きをあしらってると担任が教室に入って来て、慌てて女子達が席につく。

――助かった……いい加減疲れた。

またぼんやとり話しを聞きながら、後ろからあいつを見ていた。
自己紹介で、小さい頃ここに住んでた事があると話していた。あと 海が好きだとも。

俺と同じで海が好きなんだ…

帰りに玄関で また取り囲まれていたら 横をあいつが通りすぎた。
やっぱり 驚いた顔をしていた。
あいつ 一度も話しかけて来なかったな……。
別に 話しかけるなとは言ってないのに。
店の話しをしなかったら、普通に話してもいいのに。

俺……、そんなに嫌な奴だったか?

やっぱり 胸がチクリと痛んだ……。
理由はわからないけど。

瑛Side continue..
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