説明出来ない想い

でも…… 特別ってどういう事だろう……。

昔 約束した女の子だから?
それとも 俺の秘密を知ってるから?
いつの間にか一番近くにいて、それを自然に感じ始めているから?

そんな事を突然思うようになったのは、九月も終わろうとしている頃。

大崎は、学校ではあまり話しかけてこない。
最初に店の事とか ばれたら困ると話したせいなんだろうけど……。

そこまで 徹底する必要もないんじゃないか?と思ってしまう。

特に今、こういう状況の時。

休み時間も 相変わらず俺は女子に机の周りを囲まれている。
隣の席の大崎は、針谷と西本と楽しそうに話している。
三人で話しているんだからなんて事はないんだけど、なんとなく聞き耳を立ててしまう。

「なんだ天音。オマエってスッチャ聞かないのか?」

「そうだね〜 あまり聞かないかも。」

「今度 CD貸してやるから聞けよ。」

「ほんと? ありがとう!」

「スッチャのコンサートは無理やけど、ライブハウスなら いろいろやっとるやんな?」

「あぁ。今月はCAMINOってバンドだったな。もう終わっちまうから無理だけど、次は一緒に行くか?」

「いいの? 私詳しくないよ?」

「あぁ かまわねぇよ」

「ありがとう! はるひちゃん楽しみだね?」

「えっ? そうやなぁ!……残念やな?ハリー?」

「いっ? そんなんじゃねーよ」

二人で行くつもりじゃないにしろ、お前って無防備すぎるんだよ!

「……佐伯くんってば!!」

「えっ?」

「ちゃんと聞いてた?」

「もちろん 聞いてるよ?」

うわの空だったのを悟られないように、意識を現実に戻す。

……それでもやっぱり 大崎が気になった。
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