勘違いの海

天音Side

その後の佐伯くんは いつもと同じで……。じゃあねと別れた。

(何もなかったらいいけど…)

さっきの表情がなんだか印象的で、部屋でぼんやり考えていたら、美奈ちゃんが帰って来た。
そういえば!と思い出して 部屋に入る前の美奈ちゃんを捕まえる。

「どうしたの?」
「どうしたの?じゃないよ!美奈ちゃん 佐伯くんの事誰に話したの!?」
「誰に聞いたの?」
「姫条くん。じゃなくて!」
「姫条くん 佐伯くんに会ったの?」
「うん。じゃなくて!!」
「え〜〜〜 いいなぁ〜〜」
「美奈ちゃん!!」
「えっと…… 志穂ちゃんと守村くんと 珠ちゃんとなっちんと……」

……それって 全員じゃない!!それに!!

「美奈ちゃん!言っとくけど 佐伯くんは彼氏じゃないんだよ?」
「姫条くん 卑怯だよ〜〜 私も会いたいよ〜〜」とメールを打ち始めた美奈ちゃんは 話を聞いてくれなくて……私は諦めて 部屋に戻る。

今度一人づつ誤解を解いていこう。
多分 志穂さん辺りはわかってくれるはず。
美奈ちゃんは もう無理かも知れないけど。
……って事は 珪くんも!?
いや 珪くんもわかってくれて 美奈ちゃんの暴走を止めてくれるはず……だよね?
……たぶん。

夏休みも残り半月ほど。
平和な夏休みになるんだろうか………。

そんな事を考えながら 一日を終えたのだった。
prev 9/9 next

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -