勘違いの海

瑛Side

突然 バイトが休みやがった。
まぁ 夏風邪で高熱があるって言うから仕方ない。
俺に言わせれば、体調管理がなってないだけだが。

とりあえず ヘルプをと言われて、真っ先に大崎の顔を思い浮かべた。

(前に 予定ないって言ってたしな。)

ダメもとで 電話してみる。
即答でOKだったのは、海に行くつもりだからなんだろうな。
俺は 海に行くとは言ったけど、入るとは言ってない。
たぶん 文句を言われるだろうけど、嘘はついてない。断じて。

店の前で、イライラと待っていると 大崎が駆け込んで来た。
思ったより 早いが文句を言う。
なにせ営業時間が迫っている。
メンバーは5人。大崎が初めてでも、これだけいれば大丈夫だろう。

海の家につくと 思ったより少ない文句を言われ、俺にチョップをかまして着替えにいった。
どうも エプロンが嫌らしい。いや 水着エプロンか。
海なんだから 水着が普通じゃないかと思うんだが。

着替えて出てきた 大崎にはかなり驚いた。

――黒のビキニ。水玉の。――

白い肌に似合ってる。それに こいつスタイルいい。
全然知らなかったけど、メリハリはあるし 手足は長い。

……こいつに頼んだのは失敗だったかも。
バイトの大学生まで 見とれてやがる。
ちょっとマズイと上に何か羽織らせようかと思ったら、さっさとエプロン着けてるし。
揚げ句の果てには 、スクール水着がよかったかとか言い出す始末。

(こいつ 危機感なさすぎ)

案の定、俺はバイトの二人に挟まれる。

「佐伯くん。あの娘 彼氏とかいたりする?」
「えっと……。」
「もしかして 佐伯くんの?」
「え〜〜 あははは!」
「なんだ。残念。」

とりあえず 否定も肯定もしない。
この二人は悪い奴じゃないんだけど ちょっと軽すぎるんだよ。

まぁ俺には関係ないんだけどさ。大崎の自由なんだから。
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