13 面白がってるんでしょ?

……そりゃあ、簡単なんだけどさ。

でも、これって一番パラが大事じゃない!結果がどう左右されるかなんて知らないんだろうから、来年からは見極めて何とかしないと。

普段人の面倒なんて見ない私が ここまで気になるなんて、やっぱり主人公って凄い。面倒見のいい人なら撃沈だろう。

「なぁ、この後お昼やけど、どこで食べるん?」

「今日はみんな外で食べるのかなぁ。」

さっきの事など遥か昔の出来事になってる2人が、プログラムの時間を確認しながら話し合っている。
辺りを見渡すと、応援席でくつろいだり体育館に移動したりと思い思いの場所に移っている。

「どこでもいいけど、日陰がいいかな?」

「鈴香、それなら教室に行こう!」

「……いたの?」

「いるに決まってるだろ!いくぞ、教室!」

「は?勝手に決め……って!わゎっ!」

腕を取られ、校舎に向かって引っ張られていく。文句を言うあかりちゃんと、首を左右に振り溜め息をつくはるひは、後ろから追い掛けてくる。

校舎の中はやっぱり空気がひんやりとしていて、気持ちがいい。それなのに人気がないのは、みんなの若さのせいなのか。

誰も居ない教室で、適当に席を繋ぐ。

「鈴香ってさ、いつも昼は購買やけど今日は持って来たん?」

「あー、休みなの知ってたからさ、ちゃんと持って来た。」

昼抜きでもいいか、とも思ったんだけど一応学校に来る時コンビニに寄って来たんだよね。

みんながお弁当を出すのを見て、自分も机に乗せる。なんとなく、3人の目が点になってるのは気のせいか?

「鈴香ちゃん、もしかしてそれお昼……?」

「そうだけど?」

「鈴香、それがなんなのか知っとる?」

「何って、十秒メシじゃない。りっぱな食事でしょ?」

この台詞って前にも言った。今日は、ビタミン重視でグレープ味。必殺デザート要らずって感じ。

「鈴香ってさ、いつも購買のパンとかやけど、弁当作ってくれへんの?って言うか、作らへんの?」

「今一人暮らしだし、作らないって言うか作れない?」

「え?鈴香ちゃんって一人暮らしなの?」

「あかり、ツッコミどころ違うって!一人で暮らしとんのに、料理出来やんの?やんか。」

はるひの綺麗な裏拳が、あかりちゃんの肩にはいる。さすが、関西人っぽい子だ。この言葉遣いが関西の人だからかどうかは置いといて。

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