01 面白がってるんでしょ?

6月10日 快晴。

来賓のテントが恨めしい。
日焼け止めは塗ってるけど このままじゃ焼けそう。

最近寝不足気味で 身体がだるい。
酔っ払って やりかけておいて途中で寝やがったあのバカのせい。しかも 忘れてるし。多分いい夢見たくらいにしか思ってないんだろう。
忘れるのが分かってたなら 最後までやったのに!あんな中途半端に終わったら こっちが欲求不満になるって!
みょうに爽やかな顔で囲まれてる佐伯が腹立つ。

イッてないのにあんなに晴れやか……

なんで? 身体には残るでしょ……
もしも、もしもの話だけど……
夢だと思ってる事実をおかずにされてたら
どうしよう! って言うかイヤだ!!

ダメだ…… これ以上考えたら。
嫌な方向に向く気がする。
とりあえず、佐伯が目に入らない場所に行くべきだ。

「あかりちゃん、私飲み物買ってくる。」

「そうなの? 私達も一緒に行こうか?」

「いいよ。せっかく楽しんでるんだから」

「じゃあ 待ってるね? いってらっしゃい」

そうは言ったものの どこに行くべきか。
とりあえず 飲み物買っておくかな?
校舎の中の方が涼しそうだし。

『パン食い競争に出場される生徒の――』

パン食い競争って何番目だっけ?
って言うか 今何番目なんだろう。
あ、校舎の中って涼し。
ずっとここに居てもいい気がする。
まったく体育祭に参加する気ゼロだ。

お茶かスポーツドリンクか水……
自販機の前で しばらく悩む。
スポーツドリンクがベストだけど やっぱり水かな?とボタンを押そうとすると、隣から手が伸びた。
ガコンと落ちてきたのは水。

「これじゃないと 温くなった時飲めない。」

この低い声と 無駄な事は一切言わないみたいな話し方。
探しても会えなかったのに 探さないと相手から現れるなんて。

「私もそう思ってたんだけど?」

「そうか。」

振り返るとニヤリと笑う志波。
ホントに無駄な事は言わないんだ。

「あ! そういえば、ずっと志波くんを探してたんだけどさ。」

「どうしてだ?」

「お礼、ちゃんと言ってなかったから。
この間はどうもありがとう。本当に助かりました。」

「あぁ。本当に困ってたみたいだったからな」

ククッと笑う。おー ゲーム通りだ。
ちょっとホッとする。

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